研究テーマやアイデアが出ない理由はただ先行研究や論文を読んでるだけだから

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研究室

先輩の先行研究や論文をたくさん読んでるけど新しいアイデアや仮説が決まらない。
全く新規性を思い浮かばない…
研究の方針を決めるためのひらめき力がなくて困ってる


本記事では、下記の内容を解説します。

✔本記事の内容


1. 先行研究や論文を読んでも研究テーマやアイデアが出ない理由

2. 今後の研究方針や研究テーマの決め方


現役大学院生M2でもうすぐ卒業になります。
私自身が研究テーマを与えられず、そのうえ、教員からは「成果を出せ」の一点張りでどうすればいいのか路頭に迷っていました。

試行錯誤しながら色んなアイデアを試しながら何とか研究成果を出し、査読付き論文投稿(審査中)まで果たすことができました。その過程で得られたノウハウを共有することでより効率的な研究テーマの探索に繋がるかと思います。

1. 先行研究や論文を読んでも研究テーマやアイデアが出ない理由

1-1. 先行研究を読むだけになって自己思考を行っていない

論文を「読む」だけでは新しいアイデアは生まれません。

多くの場合、「読む」ことだけに意識してしまっており、「その論文が次に目指す展開や条件を変えた場合にどうなるのかの想定を意識した思考が働いていないから」です。

学部生時代に成績優秀だった学生に多く読むことそのものは非常にいいことなのですが、「読むこと」が最優先になってしまうと一生何もアイデアは降ってくることはないです。本当に必要なことは何を意識しながら読むかなので…


とはいえ、教員たちは論文を読めと言ってくるし、たくさん読むことが大事だと言うかもしれません。では何故、そのような違いが学生と教員の間にあるのかというと、論文投稿や学会発表で研究成果を残したことがあるかないかという経験の差があるからです。

実際、僕自身も論文投稿を行った前と後とでは、明らかに論文を読む姿勢が変わりました。論文を書く過程の中で、過去の論文を数十~数百単位で調査し新規性を示し、あるいは引用を行うといった作業を行います。それはもうかなり大変な作業で様々な場所に気を配りながら時間をかけて整理する必要があります。

そういった経験から他論文を読むときに何を意図して書いているのか、どこに新規性があるのか、流行に乗った研究なのか、自分の研究に活かせるのか、と自然と意識して読めるようになるのです。

なので、研究を始めたばかりの学生に論文を読めと言っても難しい話で、本当に必要なのはまず「読み方」を知ることだと思います。

1-2. 対象分野における研究の流行を知らない

研究の流行を知らないと研究の指針や指標がないので何をもって成果とするのかわかりません。

流行を知ることで研究者たちがどういった思考で辿り着いたのか、またはその先のゴールがどこにあるのか示してくれます。

もっと比喩的に言うと、流行を知らないのは、いきなり暗闇の中で手探りで触りながらゴールを目指すようなもんです。それよりも先に先人が辿った道を見つけて追いかけた上で自分の道を考えた方が早いでしょうということです。

というとオリジナリティが出ないというかもしれませんが、あの落合陽一さんも言うようにどんなジャンルであれ初めは守破離の守を守って型を覚えることで初めてオリジナリティが出るものです。

1-3. 研究室の強みや手札を理解していない

自分の研究室を強みを知らないと先行研究を読んだところで、自分の研究室ではできないということばかり目につきます。

当たり前のことなのですが、各研究室何を武器・オリジナリティを持ちながら研究しているのかによって研究の方向性は全く違ったものになるからです。

お金のある研究室、オリジナルの材料がある研究室、最新の測定装置が揃った研究室、お金はないがマイノリティな分野で深いノウハウがある…と様々あり、研究室によって成果を出す戦略が変わってきます。

研究室に入った学生はまずこの点を理解していないと自分のオリジナリティを出す起点につながらないことが多いと思います。

>>参考記事:失敗しない研究室の選び方と基準

2. 今後の研究方針や研究テーマの決め方

2-1. 気になった論文の再現実験を行う

論文の再現実験を行うことで、実際に体験したという経験から頭を整理し理解が深まることで、オリジナルの研究テーマを見つける助けになります。

実際に再現実験を行うと分かると思いますが、まず完璧な再現ができないことがほとんどだと思います。ですが、何とかそれを再現しようと試行錯誤することで、論文には載っていない小さな問題点や課題に気付くことができるからです。

再現実験といってもあの装置がないとか、この材料を初めから作らないといけないとか色んな問題があると思います。ですが、実験の立ち上げはだいたいそんな感じで、大変だと思いますが、その過程で工夫した点や得られたノウハウは生涯の財産に変わるので惜しみなくトライしていくことをオススメします。


また、その過程での気付きが成果を生み出す方向・方針を決めてくれます。そして、その成果はどんなに小さくても構わないのでとりあえず早めに成果として報告して教員や研究室の仲間と議論を交わし次の方針を立てるようにしていきましょう。

2-2. レビュー論文を読んで各分野の流行を知る【最新のレビュー記事を読む】

レビュー論文は、ある分野における最近の動向であったり、ホットな研究対象内容が書かれているので、研究テーマのヒントに繋がります。

つまり、流行を知ることができ、更にどういった方向に成果を見つけやすいかの指針になってくれます。

とはいえ、いきなりオリジナリティのある研究をするのは難しいと思うので、2-1で述べたようにレビュー論文から気になる論文でかつ自分の研究室である程度再現できそうであれば、再現してみてそこから得られた知見をもとにオリジナリティを見出すのが王道のセオリーかと思います。

更にレビュー論文を読むことで自分が読むべき次の論文のヒントにもなると思うので、より読みたい論文を見つけやすくなります。

2-3.研究室の強みを活かした研究の検討

自分の研究室を強みを知ることは成果を出すうえで最も早い近道になります。

既にオリジナリティや優位性が研究室単位で確保されているからです。

強みそのものが他の研究室にはないものであれば、それを意識して先行研究を読むことでおのずとオリジナリティが見えてくると思います。

注意してほしいのが、ここでいう強みというのは単に他にはない材料をもってるとかだけではなく、装置が充実している・お金が豊富にある・ある分野に精通した深いノウハウがあるなど、色々あると思うので、悲観せず自分の研究室の強みをしっかりと見極めることに注力してください。

まとめ

本記事の内容をまとめます。

・先行研究を読むだけではなく「意識した読解」がないと研究テーマは思い浮かばない
・分野における流行を知ることで研究の指針を知ることが出来る
・論文の再現実験は思考の深さを強めてくれる
・研究室の強みがオリジナリティを生み出す


以上、研究のテーマ選びは、特に研究を始めてする学生にとって訳がわからないと悩まされる種になると思いますが、焦らずまずは地盤を知ることでオリジナリティが見えてくると思いますので本記事を参考に研究を進めていってください。